
日本語には、語呂合わせや言葉の響きを楽しむ「ダジャレ文化」が根付いていますが、英語にも「Pun(パん)」と呼ばれる言葉遊びのジョークが数多く存在します。
では、英語のダジャレを日本語に訳しても、そのユーモアは伝わるのでしょうか?今回は、英語の代表的なダジャレを3つ取り上げ、日本語に訳すことの難しさと面白さを探ってみます。
例1:「You crack me up!」
原文:
“You crack me up!”
(あなたは私を爆笑させる!)
英語でのダジャレの意味:
“crack” は「卵を割る」と「人を爆笑させる」の2つの意味があります。
卵が割れるイラスト付きでこのセリフを言うと、卵が“割れる(crack)”と“爆笑(crack up)”がかかっていることになります。
日本語訳の例:
「お前のギャグ、卵が割れるくらい笑えるよ!」
→ 直訳ではダジャレになりませんが、卵のイラストと組み合わせれば、なんとか“翻案”可能。
翻訳難易度:★★★☆☆(意訳+イラスト必須)
例2:「What do you call a fish with no eyes? — Fsh」
原文:
“What do you call a fish with no eyes?”
“A fsh.”(”fish” から “i” を抜いた)
英語でのダジャレの意味:
「目(eye)=I の文字」がない=”fish”から “i” を抜く → “fsh”
音とスペルの遊びで成立している言葉遊び。
日本語訳の例:
「目のない魚ってなーんだ?」
「……サカナメ!(※ “目”がない → 逆に“目”が強調されてギャグ化)」
→ 日本語では再現困難。翻案するなら「目がない → メダカ」など別の言葉遊びに置き換えが必要。
翻訳難易度:★★★★☆(翻案必須)
例3:「Orange you glad I didn’t say banana?」
原文:
“Orange you glad I didn’t say banana?”
英語でのダジャレの意味:
“Orange” の音が “Aren’t” に似ており、
“Orange you glad?” = “Aren’t you glad?” という言い回しに似せた音のごろ合わせギャグ。
日本語訳の例:
「ウメぇって言ったけど、梅じゃなくてバナナじゃなかったから安心だろ?」
→ 直訳不能。**「果物 × 音ネタ」**として別の形に翻案するしかない。
翻訳難易度:★★★★★(もはや別モノにする)
英語のダジャレも翻訳が難しい!
英語のダジャレは、スペル・発音・慣用表現などをベースにした繊細な言葉遊びが多く、直訳では笑いが伝わらないケースがほとんどです。
しかし、「翻案(adaptation)」という手法を使えば、同じ“笑いの効果”を日本語で再現することは可能です。
おまけ:英語ダジャレ翻訳のポイント
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直訳はあきらめて、似たシチュエーションの日本語ダジャレに置き換える
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イラストや状況説明をセットにすると伝わりやすい
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翻訳ではなく「ローカライズ(文化適応)」と割り切るのがコツ
「言葉の壁」はあるけれど、「笑いのセンス」は世界共通。
英語のダジャレも、ちょっと工夫すれば日本語で楽しめます!
